白熱の夏大会準々決勝!試合内容・見所・疑問点を振り返ります【ハチナイストーリー考察】

ハチナイ記事

こんにちは、管理人の夢助むすけです!

先日公開された「炎夏に吹き荒れる北風(前編・後編)」の計二つのエピソードをもって、本校女子野球部の夏大会準々決勝が終了しました。
今回はその試合を振り返り、見所や個人的な感想、疑問点などを書いていこうと思います。

では早速参りましょう!

かつてのチームメイト対決、その結果は…?

本大会二戦目、最初は「???」という形で伏せられていた準々決勝の相手はスノーヴァ学園小説版第一弾に登場したエレナ・スタルヒン率いるロシアからの招待枠チームです。
エレナの詳細については小説の紹介記事を参照してほしいのですが、彼女は一時期本校に在籍していたことがあり、スノーヴァ学園も本校と「北風薫る球友の手紙(1年生編サイドチャプター・7月中旬)」にて練習試合を行った経験があるなど何かと縁のある相手。一回戦では(こちらも本校と対戦経験がある)中条 明菜率いる高波高校に8-7で勝利しています。

そんなスノーヴァ学園との一戦、スコアと試合結果は…。

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 R
本校 0 1 0 0 0 2 9 2 14
スノーヴァ 2 0 0 0 0 0 1 0 3

初回に先制を許し、なかなか追いつけない展開が続くも6回に逆転。7回にはエースにしてチームの支柱であるエレナの降板をきっかけに大量点を挙げ、8回コールドで準決勝に駒を進めました。

というわけで、ここからは試合を振り返り、その見所を紹介していきたいと思います!

本試合の見所!挫折や成長、練習の成果が見られた一戦

・エレナの奮闘とそれに応える有原
小説版を読んだことがある人ならご存知の通り、有原本校女子野球部に対する思いは人一倍強いエレナ、そしてスノーヴァ学園。ついに実現した直接対決で、彼女達はその気持ちを遺憾なく発揮します。

©Akatsuki Inc.

本校は雪国出身の彼女らが日本の暑さに慣れていないことを見抜き、序盤からバントや待球、カットなどでスタミナを削る作戦に出るのですが…エレナはこの試合に懸ける強い気持ちでそれらをはねのけ、力のある速球と決め球のドロップを駆使して本校に逆転を許しません。

一部の選手達が「なんだかウチらしくない」と感じる作戦、その作戦すらもものともしないエレナ…そんな試合展開に、本校ベンチの空気はだんだんと重くなっていきます。

©Akatsuki Inc.

しかし有原とエレナがホームベース上で交錯した際にかけられた言葉で主人公(監督)が目を覚まし、チームは発奮。有原も打者としてエレナと真っ向勝負を繰り広げます

©Akatsuki Inc.

その活躍はまさに主人公、メインヒロインの貫禄。最近のエピソードではやや活躍が少なかった有原のこの上ない見せ場になったといえるでしょう。

野崎の精神的な成長
エレナと有原の二人に加え、もう一人の主役としてあげられるのが野崎。身体能力を買われて投手に抜擢されたものの、精神的な未熟さや甘さが目立つ展開が多かった彼女ですが、本エピソードでは随所で精神的に成長した様子を見せています。

©Akatsuki Inc.

不意にエレナ達の事情を聞いてしまった際も、動揺こそするもすぐに「今度は直接伝えてほしい」と約束を取り付け、その事情を知ってなお、最後に登ったマウンドではエレナと手加減なしの真剣勝負を繰り広げました。弱さを抱える彼女だからこそ、気持ちの強さが求められる場面で人一倍高いパフォーマンスを発揮できることもある…そんな野崎の強みと成長を感じられましたね。
個人的にはその姿を見て「自分が受けたい」と静かに悔しがる鈴木も見所でした。今後の飛躍に期待です。

・右翼手組の関係
大量点を挙げた終盤、主人公(監督)は主力の温存とベンチメンバーに経験を積ませる意味を兼ねて選手を大きく入れ替えます。その際に九十九有原とともに「この試合は最後まで出場したい」と申し出るのですが、それを聞いて目立ちたがりの控え右翼手・逢坂が当然黙っているはずもありません。

©Akatsuki Inc.

しかし九十九の考えを聞いて、逢坂は素直に引き下がったのです。単なる対抗心ではない、一種の信頼も覗かせるような台詞とともに。ほんの一場面ではありますが、これまでに築いてきた二人のライバル関係がまた少し変化したことが垣間見えるシーンではないでしょうか。
今後もさらなる関係の掘り下げに期待したいですね。

本試合の個人的な疑問点 ~ちょっと描写が足りなくないですか~

…と、ここまでは表向き(?)の話。ここからはストーリーを読み進めるなかで、管理人が感じた疑問点や思うところを率直に述べていこうと思います(そういうのが苦手な方はご注意を!)。
今回は個人的に気になる点が多かったため、前回よりも長くなってしまいましたがご容赦ください。

・全体的に描写が足りなくない?
今回自分が一番感じたのはこれです。各キャラクターの心理やチームの雰囲気に関する描写がところどころ不足しており、総じて歯抜けな印象を受けました。

待球作戦の効果がなかなか目に見えず、同点にも追いつけないというなかで本校の雰囲気がよくないことは言及されていましたが、それに対してベンチ入りしている上級生やスタンド組が発破をかけるような描写が一切ないことは特に違和感が強いです。
中でも岩城は春大会ではベンチどころかスタンドからでもチームを鼓舞していたのに、当事者としてベンチにいるはずの今回は描写不足どころか出番すらありませんでした。彼女のキャラクター性を考えると正直ありえない事態だと言ってもいいくらいで、同じくチームに対する思いが強い塚原ともども一切出番がないというのはあまりに不自然です。

そもそも作中で「重苦しい空気」と評したベンチの雰囲気の悪さも、描写を見る限りではいまいち伝わってこないのが正直な感想。ベンチ内でそれについて口にした選手は逢坂竹富だけでしたし、スタメンで待球作戦にあまり納得できていない様子を描写されたのも朝比奈くらいでした。らしくない作戦でプレーが鈍ったという描写もほとんどないため、見ている側からすれば「なんとなく雰囲気がよくない」以上の印象が抱きにくく、主人公が一大決心して思いを告白してまで変えるべき空気だったのかとも思ってしまいます。

スタンドでは新田花山が違和感を抱いていたり、データ班の鈴木が作戦を変更すべきか悩む描写はあるものの、ベンチに向かって何か叫ぶようなこともなくただ声援を送るだけ。具体的な指示はNGだとしても、何か吹っ切れさせるような言葉をかけたり選手達を信じているというモノローグを入れたりとできることはあったのではないでしょうか?

そういった細々とした点も含め、全体的にもっとしっかり描写してほしかったというのが本音です。

・勝利への貪欲さや配慮も不足気味
作中ではエレナのスタミナを削るという作戦を「自分達らしくない野球」と評していましたが、待球作戦をあまり卑劣なように描くのはどうなのか?とも思いました。絶対的エースにしてチームの中心であるエレナから崩すというのは作戦としては至極真っ当ですし、勝ちにいくなら迷わず実行して然るべきです。

ただこれに関しては、ハチナイが「野球型青春体験ゲーム」であるという考えに基づけば納得はできます。本作のコンセプトはあくまで野球を通した青春を描くことであって、勝利のために何か(今回の場合は自分達らしさ)を犠牲にする野球はそれからかけ離れてしまうということなのでしょう。確かに青春ストーリーとして考えればそちらの方が通りがいいです。
とはいえそういった事情を考慮しても、そんな甘さを残した野球で甲子園に行けるのかという疑問は当然生まれます。今後はそういった作戦を迷いなくやり遂げないと勝てないような強敵との試合などで、その辺りを絡めた葛藤を見てみたいところですね。

ただ、主人公(監督)が待球作戦をとったことを選手やエレナに謝ったのは正直よくなかったと思います。
確かに「ウチらしい」真っ向勝負に切り替えてからエレナ、そして後を継いだ投手のマリーナから大量点を奪ったわけですが、それでも結果的にコールドを決めたのは8回でした。つまり序盤にエレナのスタミナを削っていなかったら、コールドどころかエレナに最後まで投げきられてそのまま負けていた可能性も十分あったのです。
作中で主人公は「エレナは自分達の作戦による苦しさ以上の覚悟でこの試合に臨み、どんどん強くなっていった」という旨の発言をしていましたが、それでもエレナが確かに疲れているのは作中の彼女の独白からも明らかです。そして前述した通りらしくない作戦で本校のプレーが目立って鈍っているわけでもなさそうなため、最初から真っ向勝負していたとしてもそこまで事態が好転していたとは思えません。仮に待球作戦をとらなかったとしたら、エレナが終盤に見せた疲れに乗じての逆転もありえなかったのではないでしょうか?

何が言いたいかというと、別に作戦が失敗したわけでもないのに謝るのは過剰だっただろうということです。成果は確実に出ているのだから、単純に「ここまでよく我慢してくれた、ここからは自分達らしい野球で真っ向からぶつかろう!」と呼びかけるだけでよかったでしょう。過程は変われど、それでも選手達は十分に発奮したはずです。
にもかかわらず主人公は試合中に選手に謝り、試合後にはエレナに「謝らなくちゃいけない」と謝罪しかけています(エレナには否定されていましたが)。試合中の謝罪の後に野崎が彼をフォローしていた点も含めて、主人公の精神的な未熟さ、甘さを表現しようとしたのかもしれませんが、自分は少しやりすぎなように感じました。
中途半端に弱さを表出させるくらいなら、内心どうあれ毅然と振る舞うことを貫いてから最後に「お疲れ様でした」と野崎にフォローさせるのでもよかったのではないでしょうか?

・その他足りないところいろいろ
他にもいくつか描写不足が気になる点があります。

まずはエレナ降板後の大量得点回をまるまるカットした(具体的な描写がない)ことです。これまでチャンスは作るもののあと一本が出ない…!というフラストレーションが溜まるような展開だったのに、いざそれを発散できるシーンになると短い文章であっさり描写してしまうというのはいささかカタルシスに欠けてしまうでしょう。誰がどんな打撃結果だったのかすらわからないため、特定のキャラ推しのユーザーが推しの活躍を喜ぶといったこともできません。

また竹富の俊足に対抗意識を燃やすマリーナや、朝比奈の一本足打法に影響を受けたサーシャといったスノーヴァの選手らと本校選手の絡みがほとんどなかったのも気になった点。彼女らがゆかりのある本校選手を意識しているのはスノーヴァ学園の一回戦を描いた「北風が運ぶ熱い夏(2年生編サイドチャプター・7月下旬)」でも言及されていたのに、試合後に会話するシーンすらないのはちょっと不自然に感じました。

そして何より自分が物申したくなってしまったのは、途中出場の河北の活躍をダイジェストで終わらせたことです。7回裏にスノーヴァが決死の思いで得点を挙げてコールド負けを回避した直後にダメ押しとなる2点タイムリーを放ったわけですが、その部分はスコアボードを背景に文章で描写されただけでした。
夏大会のベンチ入りメンバーについての記事でも述べた通り、河北「総合的に考えてなぜベンチ入りしたのかわからない」という風潮があり(推しの方すみません)、作中で成長度合いなどを評価されるシーンはあれど具体的にどんな実力や技術があるのかはほとんど描写されていませんでした。そんななかでベンチ入りに説得力を持たせる描写を入れる絶好のチャンスだったというのに、そこをダイジェストにされてしまったのはかなり肩透かしです。
勝負強いメンタルを発揮したとか、特定の球種・コースを狙い撃ったとか、カットで粘った末に甘い球を逃さなかったとか、一言に2点タイムリーといっても様々な過程があり、いくらでも河北の実力について描写することができたはずなのに…。

そして三人ベンチ入りした二塁手の一人である阿佐田に至っては、岩城塚原と同じく一切出番なし。それなりに描写があった九十九倉敷に絡むこともなく、これでは「投手兼任でもない二塁手を三人もベンチに入れる意味がない」という意見を肯定しているようなものです。
今後の試合で挽回してくれることを願いますが、果たして…。

まとめ・描写不足感はあるものの、展開自体は熱い青春ドラマ

…とまあ前回にもまして疑問や不満を書き連ねてはいますが、エレナの本校との試合に懸ける思いそれに全力で応える有原野崎など、大筋はやはり王道の青春ストーリーだった今回の試合。
特に野崎の精神的成長は個人的に大きなトピックで、今回のような姿勢でマウンドに立てるのならば(速球派ということも含めて)今後もクローザーとしての活躍が期待できます。彼女の甘さを指摘してきた東雲を驚かすほどのピッチングをぜひ見せてほしいですね。

もちろんエレナ達スノーヴァ学園の奮闘も大きな見所。今回のエピソード群でエレナについてもっと知りたいと思った人は、「北風薫る球友の手紙(1年生編サイドチャプター・7月中旬)」や「北風が運ぶ熱い夏(2年生編サイドチャプター・7月下旬)」といった過去のエピソードに加え、ぜひ小説版第一弾も手にとってみてください。

本校の次なる相手は岩城、そして坂上と浅からぬ因縁のある小河原高校。多くの人物の様々な思いが交差するであろう次戦、楽しみに待ちたいと思います。
それではここまで読んでいただきありがとうございました!

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